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2015年07月10日

メスナーテント誕生秘話

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こんにちは、大和田です。
BE-PAL7月号で「メスナー」の特集が組まれてますね。
ニッピンといえばメスナー。そしてメスナーテント。
これはまたとない機会なので筆を執らせていただきます。


登山界のレジェンド『ラインホルトメスナー』
メスナーの挑戦を支えた道具たち。
今回はメスナーテントがどのように誕生したかを当社社長に聞いてみました。


Q.そもそもメスナーってどんな人ですか?
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A.1944年に南チロルで生まれたイタリア人です。
南チロルは元々はオーストリアだったのでドイツ語がネイティブなのですが、第一次世界大戦によりイタリアとなったため
イタリア語も話すようになりました。その為、チロルは今も道路標識などは2ヶ国語が表記されています。
メスナーはドイツ語・イタリア語に加え英語も流暢です。
3歳から父親と山に登り、10代の頃には既にアルプスを500回以上も登攀するほどの山好きでした。
その後、1978年に人類初となる無酸素でエベレスト登頂、1980年には人類初のエベレスト単独無酸素登頂、そして7大陸最高峰無酸素初登頂、さらに1986年には世界に14座ある8000m峰無酸素初登頂を果たし、8000m峰に合計16回も登頂した「超人」と呼ばれている登山家です。


Q.ニッピンとメスナーはなぜ関わり合いを持つようになったんですか

A.今から約30年前、ドイツのミュンヘンで開かれているISPOのスポーツ見本市でメスナーと出会いました。当時すでに無酸素登頂で売出し中の新進気鋭の登山家だったメスナー。
当時の登山業界ではアルピニズムの中心はヨーロッパと考えられていた中、メスナーは真摯に話を聞いてくれました。
すっかり意気投合し、その場でアドバイザリースタッフの契約を結ぶことになりました。
今考えると不思議なくらいスムーズでした。熱意が伝わったんだと思います。
ちなみに私はドイツに滞在していたのでメスナーとはドイツ語でコミュニケーションをとっています。


Q.なるほど、そしてメスナーテントを開発することになったんですね。

A.いや、すぐにテントの開発を始めたわけではありません。
ただ、使用しているテントには不満があり、もっといいテントが欲しいという思いがあったようで、契約からしばらくして
メスナーから「テントを作ってほしい」と依頼がありました。


Q.どのように開発していったのでしょうか

A.手書きの設計図がメスナーから送られてきたのが始まりです。
メスナーは
・軽いもの
・設営の簡単なもの
この2点にすごくこだわっていました。
集団で登る極地法が主流だった当時、アルパインスタイルで登るためには軽量化はとても重要なポイントでした。
そして8000m峰に無酸素で登るということは、意識が朦朧とし、幻覚を見ることもあります。
そんな過酷な状況でも瞬時に簡単に設営できるシステムが必要でした。


Q.すぐに作ることができたんですか?

A.これまでにない全く新しいものを作る必要があり、一筋縄ではいきません。
ただ当時はテント職人も若く、埼玉県草加市にテント工場があったので、
一週間でプロトタイプを作りメスナーのもとへ届けました。
現地にも頻繁に行きました。自宅、見本市だけでなく、
時にはメスナーの講演先だった、ケルンのホテルのロビーでテントを拡げて打ち合わせることもありました。
さすがにその時はホテルの方には怒られましたけどね笑


Q.こだわったポイントはどこですか?

A.まず軽量化。これを実現するために出した答えがシングルウォールテントです。
当時GORE-TEXを使ったテントはまだなかったので、大きな挑戦でした。
そして設営方法です。極限状態ではスリーブ式では設営が困難な為、吊り下げ式を採用したいのですが
吊り下げ式では8000m級の風には耐えられない。
そこで誕生したのがドライエッケンシステムです。
吊り下げ式なのに一番風に強い構造。
そしてスカート。総重量を減らすためには余計なものを持ち込まない。
テントの淵にスカートを付けそこにピッケルなどを置くことでペグを使わずに
耐風性能を上げることができるようにしました。


Q.そしてメスナーテントは完成したんですね。デビューはどこだったんですか?
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A.デビューは1978年のエベレスト無酸素登頂の時です。
登頂成功の知らせを聞いたときはとても感動しました。
その後のメスナーの挑戦はメスナーテントとともにありました。
メスナーシシャパンマ.jpg
メスナーK2.jpg
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こうしてメスナーテントは誕生したんですね。
今も進化を遂げ開発され続けているメスナーテント。
ここからは社長に変わり私が紹介させていただきます。


これまでの話でご承知の通りメスナーテントといえばシングルウォール。
シングルウォールタイプのメスナーテントが

メスナーSARASARA EVO(写真は2-3人用です)
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独自開発のN-LAMINATEという素材はGOREに匹敵する耐水圧と透湿性を誇り、さらにGOREよりも軽量です。
テントで一番結露するのはバスタブです。
そこでバスタブも透湿素材を使用することにしました。
現在、バスタブも完全に透湿素材を使用しているテントはメスナーテントだけです。
そして日本の山岳シーンに合わせスカートをフラップにしました。
フラップを付けることで通常のテントより風に強くなり、スカートよりも軽量化できます。
フラップの無い通常のテントに比べ若干の重量は増えますが、快適性・耐風性を優先しております。



そして現在の山岳テントシーンでのスタンダードであるダブルウォールタイプのメスナーテント。
メスナーN-1000(写真は4-5人用です)
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もちろんドライエッケン方式です。
設営が楽、風に強いだけでなく使い勝手にまでこだわり出入口をD字にしてあります。
また超軽量思考が進んでいる現在ですが、底の生地を薄くしすぎると実用の限界を超えるとの判断から
メスナーシリーズではボトム素材を40Dのナイロンを使用しております。



最後に!!
大人の事情で今後生産できずこの世から消えてしまうGORE-TEXテント。
なんと、大変少量ですがメスナーカラーで限定復活です。
メスナーSARASARA GORE-TEX(写真は1-2人用です)
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現在メスナーテントは海外で生産しておりますがこちらのGOREモデルだけは
初代メスナーテントを作った草加の職人が1張1張ハンドメイドで生産しております。
こちらのモデルだけは大変貴重な為、店舗限定販売なのですが、
オンラインストアリニューアル記念として
期間限定で7/31までオンラインストアでも販売できることになりました。




今までは店舗販売中心で、山で遭遇することも少なかったメスナーテント。
そんななかメスナーテントを愛用していただいた皆様、本当にありがとうございます。
これからはオンラインストアにも力を入れていきメスナーテント仲間を増やしていきたいと思います。
山岳テントご検討で、メスナーテントにビビッときた方、ぜひこの機会にメスナーテント仲間になりましょう!


最後に、今年の夏の終わりに、メスナーテントフォトコンテストを開催したいと考えております。
メスナーテントをご愛用いただいている皆様にお願いです。
今年の夏、ぜひメスナーテントが写っているかっこいい写真を残し、フォトコンテストにご参加お願いします。
見事大賞の方にはお宝賞品をご用意しております。
皆様のご参加楽しみにしております。
よろしくお願いいたします。
posted by ニッピン at 16:50| テント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする